パンタグラフ台
パンタグラフの台は屋根カーブや取付穴のピッチがさまざまでぴったりと使えるパーツがあることはあまり期待できません。路面電車に使われているPT-52Jは取付穴間隔が狭く、トミックスから発売されているパーツでは取付穴の間隔が長手方向10mm×幅方向8mmになっています。屋根に直接取り付けたのではバランスがおかしくなります。例えば阪堺161形の場合、実物は鋼材で櫓(やぐら)が組んでありその上にパンタグラフが取り付けてあります。碍子らしきものは見当たりませんので、櫓を載せてある台が絶縁材の役目を果たしていると思われます。この櫓を模型化する場合、パンタグラフを昇降するときに大きな力が掛かりますので細い割には強度が必要です。そこで真鍮帯板を縦2本、横2本の計4本使い、帯板同士をはんだ付けすることにしました。
普段ペーパーを扱っているので真鍮帯板のはんだ付けに馴染みがないのですが、電子工作のはんだ付けには慣れているのでその技術を応用してみました。構造は単純ですが正確に組むためにはジグがあった方がよいのでケント紙の積層でジグを作りました。
横板をジグの溝にはめ込み、縦板との接合部にはんだ付け用のペーストをごく少量塗り、縦板を上からはめ込み、マスキングテープなどで仮止めします。横板にはんだごての先端をあて、糸はんだを接合部にあてて溶けるのを待ちます。はんだが溶けたら一旦コテを外し、接合部が密着するように縦板を上からピンセットなどで押さえながら再びはんだごてをあてます。はんだが溶けて接合部が密着したらコテを離します。あまり長くコテをあてるとケント紙で作ったジグが焦げます。ワークがあたる部分は補強のために瞬間接着剤で固めています。このジグは耐久性はありませんが数個のパンタグラフ台を作成するには問題なく使えます。
糸はんだはヤニ入りではないなるべく細いものを使うのがよいようです。またコテではんだを溶かすのではなくコテでワークを熱して間接的にワークにあてたはんだを溶かすようにします。はんだは接合部に塗ったペーストに沿って流れてくれます。はみ出したはんだはやすりで削ります。
2010/4/30 初稿 2010/5/1 改訂